「会社は終わった」論にひと言、もの申す(2/2 ページ)

» 2013年02月19日 08時00分 公開
[石塚しのぶ,INSIGHT NOW!]
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 もっとも、人が集まっているというだけで、「共通の目標」や「価値観」というものが見失われて形骸化してしまっている組織も多いのかもしれません。組織としての意義を見出せない集団には価値がないと言っても言いすぎではないと思います。「会社は終わった」論を唱える人たちは、これまでの就労生活を通して、「組織」の中で苦い経験をしてきた人たちなのでしょう。しかし、自ら看板を掲げてやっていこうという気概も才能もある人たちが、このように簡単に会社というものに見切りをつけてしまうのはとても残念なことです。

 人と人とがつながり、価値を生み出すことが容易になった「ソーシャルの時代」に、組織のあり方を各自が真剣に考え直すべき時が来ていると思います。会社やグループ、チームといった組織の存在意義や中核となる価値観を再定義して、それらに則って組織を運営するとはどういうことかを今一度考えてみるべきだと思います。

 そしてこれは、会社の経営者だけに課された命題ではありません。会社で働くすべての人が、「自分というものの存在意義」、「自分の価値観」、「働くとはどういうことか」を自らに問うてみることが必要と思います。

 「今までまかり通ってきた会社のあり方が終わっている」というのであれば、新しい時代にふさわしい組織作りに身を投じてみたらどうでしょう。個の力を集結した「会社」という組織には、会社の中で働く人や顧客を始めとして、より多くの人を幸せにできる力があると思うのです。個々の人が自らの能力を最大限に発揮し、その功績に対して感情的に報われ、満たされる組織、そんな組織作りを目指す人が1人でも多くいる世の中になれば、と思っています。(石塚しのぶ)

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