鉄道運賃の緩やかな値上げが始まった杉山淳一の時事日想(3/4 ページ)

» 2013年02月22日 08時01分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

悪い話だけではない……けれど

HAPPY BIRTHDAY ♪ KYUSHU PASS(出典:JR九州)

 トクトクきっぷの売り上げは減少の一途となっているが、良いニュースもある。JR九州は先月末、「HAPPY BIRTHDAY ♪ KYUSHU PASS」を発表した。このきっぷを使えば利用者は誕生月に3日間、JR九州の列車に乗り放題となる。九州新幹線や在来線特急自由席も利用できて、グリーン車指定席・普通車指定席も6回使える。利用可能期間は2013年3月1日から2014年3月2日まで。価格は2万円。これは使いたいきっぷである。

 同様のきっぷはJR四国が先んじており、通年で「バースディきっぷ」を販売している。JR四国全線、特急グリーン車指定席にも乗り放題で3日間。料金はなんと1万円だ。こちらはさらに気前が良く、同行する人も3名まで1万円で購入できる。4人グループの誰かひとりが誕生月なら使えるというわけだ。

 JR九州の「HAPPY BIRTHDAY ♪ KYUSHU PASS」に同伴者割引制度はない。でも3月生まれの人なら来月で終了するが、「九州の幸福な鉄道フリーきっぷ」を併用するといい。若干効力が異なるけれど、3日間、JR九州全線で新幹線を含む特急自由席に乗り放題。料金は2万5000円となっている。

 JR東日本からも良いニュースがある。周遊きっぷ廃止と同じ日に「北海道全線フリーきっぷ」「みなみ北海道フリーきっぷ」を発表した。 「北海道全線フリーきっぷ」は、2013年4月1日から2014年4月5日までの5日間、JR北海道の全線とJR東日本津軽線の蟹田―中小国間が乗り放題。このエリア内は特急自由席も乗り放題である。東京都区内からフリーエリアまでの往復乗車券とセットで価格は2万9800円。フリーエリアを札幌付近以南に限定した「みなみ北海道フリーきっぷ 」は3日間有効で2万3000円となっている。

 JR北海道が道内で販売する「北海道フリーパス」は有効期間7日、特急自由席も乗り放題、普通車指定席6回利用可で2万5500円(混雑時期は利用できない)。これと比較すると、「北海道全線フリーきっぷ」は東京からの往復乗車券が付いて2万9800円で、かなりおトクだといえそうだ。ただし、フリーエリアまでの往復は乗車券のみ。新幹線で行く場合は別途特急券が必要となる。基本的な経路は東北新幹線・東北本線で、寝台特急あけぼのに乗る場合のみ、高崎線・上越線・羽越本線・奥羽本線経由も使える。もちろんあけぼのに乗るには特急券と寝台券が必要となる。

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