「北海道全線フリーきっぷ」「みなみ北海道フリーきっぷ」のプレスリリースによると、「IGRいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線はご利用になれません」と書かれている。ただし「JR線以外をご利用になる場合は、別に運賃・料金が必要です」という記述もある。北海道へ行く列車旅でカシオペアや北斗星に乗れないとは寂しい。
この件についてJR東日本の広報に確認したところ、「別途IGRいわて銀河鉄道線と青い森鉄道線のきっぷ、特急券、寝台券を購入すれば、カシオペアや北斗星も乗車可能。列車内でIGRいわて銀河鉄道線と青い森鉄道線の乗車券を精算してください」とのことだった。継続乗車扱い(最終日に乗車し、途中下車しなければ、日付が変わっても目的地まで乗車できる)も可能とのこと。そうなると新しい「北海道全線フリーきっぷ」はとてもいいきっぷのようだ。
しかしこのきっぷも「特急料金ぶんの値上げ施策」の一環といえる。実はこれと似たようなきっぷが2010年3月31日まで存在した。「ぐるり北海道フリーきっぷ」というきっぷで、有効期間は5日間。JR北海道内の特急・急行・普通列車の普通車指定席または普通車自由席が何回も利用できた。価格は7月から9月までが4万4700円。10月から6月までが3万5700円だ。2万9800円の「北海道全線フリーきっぷ」より値段は高いけれど、北海道までの往復は北斗星のB寝台、東北新幹線の普通車指定席を利用できた。
ちなみに「北海道全線フリーきっぷ」を使い、往復を新幹線「はやて」に乗ったとすると、はやての特急料金は片道6500円(通常期)。往復で1万3000円。きっぷと合わせて4万2800円となる。現在のほうがちょっとは安いけれど、これは新幹線利用の場合で、私の好きな寝台特急に乗れば割高だ。なんだか残念な試算になってしまった。
もうひとつ気になるところは「北海道全線フリーきっぷ」の値段は2万9800円と触れ込みつつ、実際には2万9800円で北海道へは行けないことだ。新幹線に乗るか、あけぼの・北斗星・カシオペアに乗るか、各駅停車だけで行くにしても、途中でIGRいわて銀河鉄道線と青い森鉄道線には乗り継がなくてはいけない。つまり、必ず「別途料金」がかかる。
これってなんだかズルいなあ、と思うのは私だけだろうか。
もうちょっと高くてもいいから、新幹線特急券、北斗星またはあけぼのの特急券やB寝台をセットにして、経路を選ばせてくれたら良かったと思う。
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