ダイシン百貨店にみる総シニア時代の「居られる店」づくりカイモノマーケティング(1/3 ページ)

» 2013年03月08日 08時00分 公開
[澤地正人,Business Media 誠]

著者プロフィール:澤地正人

1976年東京都生まれ。店頭における営業活動や、販促支援、売り場づくりまでを行う「店頭マーチャンダイジング事業」を展開する株式会社マックス取締役。店頭を起点としたマーケティング部門の統括責任者として、価値を伝えきる売り場・売り方の実現について、メーカー様向けに流通戦略から店頭施策、販促企画など幅広いプランニングを手掛けている。近著に『セールスデザイン〜売れる仕組みの作り方〜』がある。


 お客さんと一緒になって考える――これからのビジネスは、この傾向が強まるのではないでしょうか。

 インターネットの発達により、情報や知識が得やすくなりました。そのため商品の差別化特性が失われやすくなり、結果として価格や量でしか選ばれなくなる、いわゆる「コモディティ化」が進み、商品ライフサイクルは短縮化しています。

 だからこそ、企業は一歩でも早くイノベーションを起こすために「スピード感」を重視し、競争優位性を得るために自前の組織、機能のみではなく、アウトソーシングやM&Aなど、外部の知見を取り込むことがセオリーになっています。

競争力=共創力の時代へ

 筆者は、自前、外部に加えて、これからは「顧客の参画」がより重要になってくると思っています。企業が顧客とともに考え、商品やサービスを「共創」することが、競争に勝ち残る要素になりそうです。

 例えば、空想生活というWebサイトをご存じでしょうか? 自分が考えた商品アイデアを投稿し、「欲しい」という声を一定数集められれば、企業が商品化を検討していくという、まさに顧客が参画できるWebサービスです。ちなみに、レゴブロックとコラボした「LEGO CUUSOO」もあり、惑星探査機「はやぶさ」のレゴブロックが商品化されました。

 このような「顧客の参画」によって作られた商品は、消費者にとって受け入れやすいものです。また、声を聞いてくれるということが企業への信頼にもつながり、商品購入後も継続的な関係が構築できます。このように企業・顧客ともにメリットがあり、これからも「共創」という仕組みは発展していきそうです。

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