今や老若男女を問わず、愛されるようになったアニメーション。「日本のアニメーションは世界にも受け入れられている」と言われることもあるが、ビジネスとして健全な成功を収められている作品は決して多くない。この連載では現在のアニメビジネスについてデータをもとに分析し、持続可能なあるべき姿を探っていく。
先日、第1回目のアニメビジネス・パートナーズフォーラム(ABPF)のテーマ・ワーキングが終わった。
ABPFは、アニメ産業が異業種と協業しながらマーケティングやビジネスモデルの開発を行い、アニメの海外市場を147億円から1000億円、国内の二次利用市場を1000億円から9000億円に引き上げようというプロジェクトのこと。業態や目的別にいくつかのテーマを設け、喧々諤々の議論を通してビジネスの契機を見出そうとするものである。
2012年11月末から2013年2月末までの3カ月間に渡り、6つのテーマ・ワーキングが各々5回に及ぶセッション・ミーティングを繰り広げた。
企画当初、このようなアニメ産業サイドからの提案に異業種が応えてくれるか不安があったが、いざ始まってみると予想以上の反響にいささか驚いた。反面、アニメに対するこれほどの興味に今まで応えていなかった業界の責任もいささか感じた次第である。
テーマワーキングに参加したメンバーは、日本動画協会加盟のアニメスタジオを始めとして、放送局、映画(国内・海外)会社、広告代理店、旅行代理店、電鉄、通信、商社、流通(小売)、玩具、出版、印刷、業界団体、建設、地方自治体、ライセンス、財団法人、ポストプロダクション、NPO法人、ゲーム、配信など実に多彩だった(個人の参加もあった)。募集期間が短かったことを考えると、アニメに対する潜在的な注目度がいかに高いかということだろう。
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