「結構です」は肯定? 否定?日本人が気づいていないヘンな日本語(2/3 ページ)

» 2013年03月19日 08時00分 公開
[デイビッド・セイン, 長尾昭子,Business Media 誠]

「結構です」には4つの意味が

長尾:2番目の用法は、例えば「何が食べたい?」と目上の人に聞かれたときに「何でもいいですよ」と言う代わりに「何でも結構です」と言ったりします。

 また、お金を先払いしようとした人に後払いも可能だと伝えるには「お支払いは後でも結構ですよ」と言います。「大丈夫」という意味ですね。

「結構です」には、4つの意味がある

  1. Wonderful. すばらしい (例)結構なお住まいですね。
  2. No problem. 問題ない (例)お支払いは後で結構です。
  3. No thank you. いりません (例)お茶はもう結構です。
  4. Quite. とても (例)結構おいしいですね。

セイン:そういえば、日本人はよく「大丈夫」と言いますね。

長尾:日本語の話せるアメリカ人も、よく「大丈夫」と言いますよ。

 次の3番目の意味が、いちばん間違えやすいようです。これは「もう充分、もうたくさん」という気持ちを表すときに使います。お酒やご飯のおかわりを勧められた場合などに「いえ、もう結構です」という感じで使われることが多いですね。

 そして4番目の意味ですが、これは「かなり、思った以上に」というニュアンスを伝えるときに使い、「結構、時間がかかるよ」「おや、結構おいしいじゃない」といった使い方をします。この場合の「結構」は副詞ですね。だから語尾がないように見えますが、これは活用語尾です。

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