話を先週の失言騒動に戻す。騒動の根源は、4月27日付の米ニューヨーク・タイムズ紙。先に訪米した猪瀬知事が同紙の取材を受け、この中でイスラムやムスリム、そして五輪招致のライバルであるトルコのイスタンブールについて暗に批判したと受け取れる発言を行った。各種報道をチェックすると、インタビューの最後のほうでこの発言は飛び出したようで、知事によれば、本筋の話ではなかった、という。
五輪憲章では、招致に際してライバルを批判するのは御法度。IOCでもこの発言は問題視されたが、結局知事が発言について謝罪することで一件落着となった。五輪招致の詳細や、選定する側の人を取材していないのでこの発言がどの程度マイナスになるのかは分からないが、素人目にも大きな失点であることは明白と映った。
と同時に、騒動をみている最中私が感じたのは、プロはなにをやっていたのか、という点だ。
海外メディアの取材に慣れていない都庁の広報担当者であれば、「タイミング悪かったね、ドンマイ」と慰めの言葉をかけたくもなるが、冒頭で触れた通り、五輪招致に関してはプロ中のプロがいたのに、なぜ? と思ったのだ。
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