猪瀬知事に取材したのが、都庁記者クラブに所属するメディアであれば、「独自ネタ」をちらつかせることでバーター取引が成功したかもしれない。
だが、相手はニューヨーク・タイムズ紙だ。そんな取引に応じる相手でないことは明白。まして、シャンドウィック社は、同紙の鼻っ柱の強さを一番良く知るプロではなかったのか。
だからこそ、事前レクでしっかりと知事にクギを刺しておく必要があったわけだ。騒動の最中、私はかつて取材した数人の広報マンたちに連絡を取った。知事の発言自体ではなく、みな一様にプロの広報代理店の失点を話題にしていた。
最後に、東京都民としてひと言。五輪招致には多額の血税が注ぎ込まれている。微々たる額だが、私も税金をおさめている。公のお金が、ずさんなプロの仕事で無駄になるような事態は、なんとか回避していただきたいと思う。
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