このようにまったく異なるタイプの2人の犯罪者だが、実はひとつだけ共通点もある。それは、自分の中の「闇」をよく自覚しているということだ。
地元テレビ局記者によると、カストロの自宅から、2004年ごろに書かれたとみられるこんなメモがあったらしい。
「私は性犯罪者。助けを必要としている」
佐藤受刑者も私に対して、自分は明らかに「心の病」だと訴え、他の受刑者と同じ待遇で扱う千葉刑務所を、「ゲバ(暴力)刑務所」と批判し、手紙にこんな不安を綴ってきたことがある。
ゲバ刑より苛めに苛め続けられて居る此の私が、心成らずも社会へと憎悪の炎を燃やす悪人へと変心したと為ても何等不思議は無く、寧ろ其のストレスから狂人と成るより先に、恐ろしい悪人へと変質して仕舞うのでは無いかと、其の事に恐怖すら感じて居る毎日です(原文ママ)
自分でも自分を抑えることができない――。彼らは自分がある種の「病」だということを、誰に言われるまでもなく、よく分かっているのだ。
それを裏付けるようなデータがつい1カ月ほど前に出た。性犯罪が社会問題化している韓国で2011年に国立法務病院に収監された性犯罪者50人を調査した結果、94%が精神的疾患を煩っており、3人に2人は性倒錯(社会通念から逸脱した性的嗜好)だったというのだ。
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