相場の低迷期から株をやっていた人なら、現在の株高で保有株を売りたい気持ちが高まっているのではないでしょうか。あるいは、すでに売ってしまっていて、上がり続ける相場を見ながら「早まった……!」と唇をかんでいるなんてこともあるかもしれませんね。筆者はなかなか踏ん切りがつかないタイプなので、まだ多くの銘柄を抱えています。売り時が……分かりません……。
日本の名作文学のひとつ「ごんぎつね」は、貧しい農民の兵十ときつねのごんの悲しい物語ですね。ビジネスにおいて大切な「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」の心で、悪いことをしたおわびに品物を贈りたい旨をごんがあらかじめ兵十に伝えてさえいれば悲劇は起きなかったのです。
それはともかく、ごんを撃ってしまったばかりに、兵十は今後受け取れたはずの贈り物を失ってしまいました。株高に目がくらんで未来に継続して受け取れたはずの配当収入を失うという事態とよく似ています。株を売るときには利益について総合的な観点からよく考えてみましょう。
しかし昨年末からほとんど2倍近くに上昇している現状、たいていの株は未来の配当収入を勘案しても、今売却した方がお得なような気がします。業績が悪くなれば減配、無配の可能性もあるのです。確実に手にできる利益を一番いいときに得る。これに尽きるのではないでしょうか。
いつ売ろうかと考えているうちに、今回のような暴落が来たりもするので悩ましいところです。
著者プロフィール:雄山スズコ
漫画家兼投資家。政治経済ジャンルに主に生息。2004年から投資を始める。中国株、日本株、各種外貨資産などさまざまな金融商品で痛手を負うが、こりずに挑戦中。著書に『政治萌え!〜国会ゆるゆる観察日記』(司書房)。2008年3月〜2011年12月に日本経済新聞紹介サイト「nikkei4946.com」で4コマ&コラム「まんがで見るキーワード」を連載。公式サイト「桃熊薬局」。著作一覧はこちら。
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