やりたいことをきちんと考えて結果を出そうとしている就活生もたくさんいます。が、そんな就活生の前に立ちはだかるのがまたしても親たちです。いろいろと会社説明会に出向き、インターンシップなどに参加して現場も確認し、さらには先輩社員にも話を聞いて「どんな仕事をするのか分かった」状態で、その企業や業界の選考に挑んでいるにもかかわらず、敵になる親は、またしても無神経な一言を発します。
「そんな企業は聞いたことがない、わたしは!」
世の中には星の数ほど企業があるわけですから、当然知らない企業のほうが多いはずです。が、敵になるタイプの親はお構いなしです。「自分が知らない企業=無名な企業=子どもが就職すべきではない企業」という図式が成り立つようです。やりたいことをきちんと考えたとしても、今度は「考えるべきことはやりたいことだけじゃない。もっと大切なことがある」と、就活生の意欲を簡単に削いでしまうのです。さらに追い打ちをかける一言を発する親もいます。
「もっと有名な企業を受けないと!!」
最近でこそ、親が就活に関与すべきだという一部マスコミの論調もあって、これほど無神経な発言をする親たちは減少傾向です。が、まだまだ少なくありません。さらに、就活のことを勉強している親であればあるほど、企業選びにまで「セミナーなどで聞いてきた」もっともらしい話を押し付けながら、関与しようとするのです。我が子がかわいいからこその行動だ、という人もいますが、結果的に自分の子供の敵になり、行く手をふさぎ、やる気をそぎ、追い込んでしまっているのです。
では、親が敵にならないで就活生のためにできることはなにか。実はそれほど多くありません。就活そのものは現在進行形の話ですが、その就活に挑んでいる学生たちの中身は一朝一夕にできたものではない。厳しい話をすると、親は「就活をする前」に、自分の子供とかかわるチャンスがたくさんあったはずなのです。しかし、その機会を放棄(もしくは気づいていても真剣に取り組んでいなかった)して、失ったものや得るはずだった成果を、就活というタイミングだけで挽回するのは不可能だと考えてください。
その上で親が、就活生である子供に対してできるのは「伴走者」に徹することです。そう考えると、やるべきことはたくさんあります。
例えば、話を聞いてあげること。意見を戦わせるとか、示唆をするとか、そういう話ではなくて、ただ、話を聞いてあげる。彼らの話を聞いていると「いやいや、それは甘い考えでしょう」とか「そういう考えだから、内定が取れないのだ」と言いたくなるかもしれません。が、そこはグッと我慢する。一定の期間我慢できれば、就活生である子供は「自分の親は味方だ、何でも話そう」というモードになります。そして、自発的に問いかけをしてくるはずです。「こういう時はどう考えたらいいのか?」と。意見を求めてこられるまで、待つのがベストです。
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