平澤朋樹 平澤FP事務所 代表
企業の経営企画・IPO(株式上場準備)・IR(投資家向け広報)に従事し、経営分析や株式実務、機関投資家とのセッション等を通して経済やマーケットの知識を深める。金融機関に所属しない独立系のファイナンシャルプランナー事務所を運営。サラリーマン経験を生かした子育て世代向けの生活設計や資産形成の相談、シニア世代向けのセカンドライフや相続の相談等のほか、自治体や住宅展示場などで各種セミナーを行っている。
<保有資格>:ファイナンシャルプランナー(CFP)、住宅ローンアドバイザー
大手銀行が、5月に引き続き6月の住宅ローン金利の引き上げを決定しました。住宅ローンの金利には固定金利と変動金利があり、前者は長期金利の指標となる10年物国債利回りに、後者は政策金利(無担保コールレート)に連動しています。
大手銀行の主力商品である10年固定金利(固定期間選択型)は10年物国債利回りに連動しており、5月には0.05%の小幅引き上げを、6月には0.2%の引き上げを行いました。この引き上げは長期金利の上昇に伴うもので、これにより10年固定金利の6月の最優遇金利は1.4%から1.6%となります。このように、住宅ローンの金利はわずかな金利上昇にも敏感に反応します。
10年物国債金利は、4月4日に日銀が金融緩和を発表した直後に0.315%と、史上最低水準となった後上昇を続け、5月23日に1年2カ月ぶりの高水準となる1.0%を付けた後、5月末現在0.9%前後で推移しています。
長期金利は市場の中で決まるため「将来物価や短期金利などの予想に影響されて敏感に上下する」という特徴があります。2000年ごろはITバブル、2006年ごろは新興市場が元気な時代でしたが、その当時は2%を超えませんでした。
一方で変動金利が連動する政策金利は日銀の金融調節によってコントロールされているため、長期金利のように市場の予想を受けて動くことはありません。
従って今後金利がさらに上昇した場合、金利水準が低い時に変動金利で組んだ住宅ローンを固定金利に変更しようとした時には、既に固定金利の水準が上がっているということも考えられます。変動金利による返済は、長期間にわたるほどリスクが大きくなるということを理解しておきましょう。
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