甲斐: 高畑さんのお話に非常に共感するところがありますね。私の普段の生活ではルイ・ヴィトンを買ったりはしませんが、まさにそういう生活をしているなあと。
ところで、なぜデジタルマーケティングという言葉がゆがんだ形になっているのか、つまりデジタル“だけ”マーケティングになっているのか、ふり返る必要があるでしょう。
それはやはり、インターネットが出てきたときに、まず着目されたものが検索エンジン連動型広告やアフィリエイト広告だったことです。それらは非常に短期に成果が出るという驚異的なメディアとして登場しました。そしてあたかも「これがデジタルマーケティングなんだ」となったのです。
いま置かれている状況には、デジタルだけをやってきた人と、あえてデジタルを避けてきた人の世代間格差というものが存在しています。そのことが、デジタルマーケティングがうまく使えていない原因になっているのかなと思います。
小沢: 高畑さん、「一言でデジタルマーケティングとは」と聞かれたときに、どう答えますか?
高畑: デジタルの特性を生かしたユーザーとの心理戦というのが、私のデジタルマーケティングの定義ですね。デジタルには固執しないけれども、必要であればデジタルの特性を生かすというものがデジタルマーケティングだと思います。
小沢: 「ユーザーとの心理戦」というのは具体的にどういうイメージでしょうか。
高畑: 結局、自社のサービスに対して完全に振り向いてくれた人と、完全に背中を向けている人がいるわけです。後者に対してどういう方法をとったら、こっちを向いて「好きだよ」といってくれるだろうか。そのプロセスの中で、デジタルが一番強い部分が使えるのであればデジタルを使うし、アナログが必要な部分はアナログのアプローチをするということです。
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