――タックスヘイブンの問題は世界的にも大きな話題だ
シャクソン: 強調したいのは、タックスヘイブンの存在は金融分野の規制緩和とかなり深く関わっていることだ。私の母国である英国は、規制緩和と同時に税法についてのコンプライアンス(法令順法)の意識が低下する傾向にある。それは競争が激化するからだ。
つまり規制緩和によって税法を軽視するようになり、脱税などの犯罪も見逃されやすくなるということだ。これはとんでもなく危険だ。だから日本でも規制緩和が進めば、同時に税法に対する締め付けもセットで進められる可能性がある。これがタックスヘイブンを利用する原動力になる。
――欧州は経済危機にあるが、そういうときにタックスヘイブンは活発になるのか?
シャクソン: 過去何十年もタックスヘイブンは問題になっているが、オンショア(自国内)の経済よりも断然早いスピードで大きくなっている。むしろ昨今の経済危機がそのスピードを減速させていたようなところがあった。それでもタックスヘイブンは成長傾向にあり、経済危機だからといってその傾向が逆方向に振れることはない。大きくなり続けている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング