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» 2013年07月18日 08時00分 UPDATE

伊吹太歩の世界の歩き方:タックスヘイブンに流れる日本の「税金」を取り戻せ (3/5)

[伊吹太歩,Business Media 誠]

タックスヘイブンは単なる脱税ではない

 こうしたタックスヘイブンの現状について、英フィナンシャル・タイムズ紙などで活躍するタックスヘイブンに詳しいジャーナリストのニコラス・シャクソンに話を聞いた。タックスヘイブンについての彼の著書『TRESURE ISLAND』は、ノーベル経済学賞を受賞者である経済学者ポール・クルーグマンが「興味深く恐ろしい」本だとして、ニューヨークタイムズ紙の自らのコラムで題材にしたほどだ。

 シャクソンは、日本の国税庁による発表に「そうなのか! それはすごい発表じゃないか」と驚きを隠さない。そして、「今取材を続けている本で間違いなく日本についてさらに調べるつもりでいる。ただ取材にはあと2、3年かかってしまいそうだけどね」と笑った。以下、シャクソンへのインタビューだ。

――世界的にどれほどの影響があるのか?

シャクソン: 国際的に、とてつもなく大きな影響がある。タックスヘイブンの問題は、ただ単に脱税というだけではない。さまざまな法律に違反する。税法、刑法、金融規制法など、こうしたすべてのものに違反する現象だ。自国のルールを無視してカネを持ち去っている。

 タックスヘイブンは世界経済の『副次的なもの』と見られがちだが、取材の早い時期で、この問題は世界経済の中心にあるのだと気付いた。もうひとつ重要なのは、タックスヘイブンはみんなが想像するような小さな島というのに限らないことだ。アジアでは香港がいい例だ。

――タックスヘイブンの国々にとって、ニューヨークやロンドンは「上客」だということだが、日本はどうか?

シャクソン: 日本については、実のところ詳細まで調べていない。でも興味はあり、もっと調べる時間があればと思っている。ほかのアジア諸国もそうだ。

 タックスヘイブンの問題が日本にも重大な影響を及ぼしていることは間違いない。国際的にも注目されたオリンパスのケースがそれを物語っている。あの件にはケイマン諸島が関わっていた。だから、日本にも大きな影響があると考えている。

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