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タックスヘイブン(租税回避地)とは、所得税や法人税などが低い、または無税とされる国や地域のことで、そうした場所の銀行などに日本や外国で得た収入や資産を隠し持つことで、脱税やマネーロンダリングの温床になるとして世界中で問題になっている。
国税庁は2013年6月、カリブ海のケイマン諸島や南太平洋のクック諸島など国や地域に財産をもつ日本人のリストを大量に入手したと発表した。そして発表にいたった理由を、「積極的に公表することで国際的な税逃れに断固として対抗する姿勢を見せるためだ」としている。
また、財務省も驚くような数字を発表した。日本から英領ケイマン諸島に流入した資金が2011年には15兆3603億円に達したというのだ。証券投資の形だが、オリンパスの損出隠しなどの舞台になったケイマン諸島には日本からも莫大なカネが流れている実態が明らかになった。
この2つの発表は大変なニュースだ。もちろん日本にとって大問題であるのは間違いないのだが、それ以上に、ケイマン諸島やクック諸島にとっても死活問題なのだ。
どういう経緯で国税庁がリストを手に入れ、財務省が現状を把握できたのかは分からない。だが、基本的には顧客の情報を秘密にするということで成り立っているはずのタックスヘイブンで情報が漏れたことが事実なら、もはや誰もその国や地域で口座を作ってカネを預けなくなる可能性があるからだ。
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