ウォール・ストリート・ジャーナルのススメビジネス英語の歩き方(2/3 ページ)

» 2013年07月31日 13時00分 公開
[河口鴻三,Business Media 誠]

 ケネディ家というのは、米国における皇室のようなもので、その主要な一員が外国の大使として出るというのは、米国にとっても大きなニュースなのです。一部の日本メディアがしたり顔で、再選協力へのオバマ大統領の論功行賞人事だというような表層批判をしていますが、これは米国では当たり前のこと。批判の対象になるようなものではありません。日本の外務省では、職業外交官が先輩、後輩意識でさまざまな隠し事を抱えて存続していますが、そういう閉鎖社会の弊害をまったく別分野の人の起用で防ぐという意味もあります。

 今回の人事も、いままでの駐日大使の多くが、米国内の超大物だった系列に連なるもので、米国にとって日本という国がいかに重要かをあらためて示しただけのことなのです。先に参照した記事では、モンデール副大統領などのケースを挙げていますが、他にこれだけの大物大使を米国から迎えている国はありません。最近は、日米同盟重視の現れなどと日本のメディアはコメントし、対中国政策などと見当違いの見方もありますが、日本という国に対する米国の、民主党、共和党を問わない、リスペクトの現れといえるでしょう。

日本企業のトップインタビューも掲載されている

 WSJには、日本の個別企業に関する情報もよく載っています。例えば7月28日には、サントリーグループが子会社のサントリー食品上場を無事果たしたという記事(参照リンク)を載せています。非上場の代表的大企業としてサントリーが、筆頭子会社を上場させることにはどういう意味があるのか? 同社CEOの鳥井信宏氏のインタビューで詳しく報じています。

 この記事は、2日後の7月30日に日本語版にも掲載されていますので、日本語と英語の両方を読み比べることができます。少し残念なのは、ビデオにもなって掲載されている鳥井氏(創業者のひ孫)の英語のインタビューが、いまひとつインパクトに欠ける点でしょうか。どうも国際戦略を、大変な馬力で推し進めている佐治信忠氏(サントリーホールディングスCEO)の方が、押し出しが強そうですね。

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