こうして見ると、他の会員カード型ビッグデータビジネスはヌルい。私はSuicaのほかにPontaカードとTカードをよく使うけれど、PontaとTカードは無料で発行される。実にもったいない。100円くらいのデポジットを預かってもバチは当たらないだろう。Pontaは昨年11月に会員数が5000万人を突破している。これは無料で作れるからとも言えるが、100円のデポジットを取れば50億円を運用できた。もっとも、PontaもTカードも、無料カードの次のステップとしてクレジットカード会員を用意している。そもそもデポジットというビジネスモデルではないのだろう。
会員制ビジネスの会費については、ちっとも新しいビジネスモデルではない。組織が大きいほど、募集する企業が大きいほど大きなカネが動く。そんななかで、Suica騒動は「従来の会員制ビジネスに加えて、ビッグデータという新しいもうけ方があるよ」と示してくれたわけだ。これは十分に参考になる。会員制ビジネスを展開する企業は、JR東日本のSuicaビッグデータ騒動がどのように収束していくか、注目していることだろう。
ところで、こうして見ると、Suicaの会員制ビジネスで動くお金に対して、Suicaビッグデータの販売価格って、ずいぶん安いような気がする。何百億の運用資金がある一方で、せっかく集めた貴重なビッグデータを、日立製作所が約500万円単位で売っている。
JR東日本さん、その卸値、安すぎませんか?
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