国鉄時代から、指定券などの料金施策はほとんど変わっていない。国鉄時代はSLやまぐち号などわずかな例を除くと、指定席券は乗車券や急行料金を伴うという前提だった。だから指定席券の払戻手数料が320円でも差し支えなかったかもしれない。
ところがJR発足以降に、イベント列車やSL列車など、普通列車に指定席が設定されるという傾向が顕著になった。それまで普通列車として運行されていた夜行快速列車も、着席サービスを向上させるため「ムーンライト」へとリニューアルされた。いまさら言っても仕方ないけれど、本当はこの時点で、指定席券と払戻手数料の比率を見直すべきだった。
そこでどうだろう。次回の消費税関連の運賃・料金を設定する際に、普通列車の指定席券については1000円以上に値上げしたらどうか。これで「記念購入」や「キャンセル手続き未遂」のリスクを減らせるのではないか。値上げしたくないというなら、ちゃんと乗車券を伴って利用した指定券について、到着駅でキャッシュバックすればいい。窓口の手間は増えるけれど、券売機だって進歩している。Suicaで改札を通過する際に自動的に戻すという方法も、技術的に可能ではないか。
大手オークションサイトには「ムーンライトながら」の指定券が多数出品される。「キャンセルしても返金されないから転売しよう」という考え方もあるだろう。法的にはグレーゾーンのようだが、すべてが転売目的とは限らない
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なぜ「必要悪」の踏切が存在するのか――ここにも本音と建前がCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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