「はだしのゲン」がバカ売れ、仕掛けたのは誰か?窪田順生の時事日想(3/4 ページ)

» 2013年08月27日 07時00分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]

 戦争の悲惨さを伝えるためだ、ちょっとぐらい話を盛って何が悪いーー。その代表が『私の戦争犯罪』などの著書で従軍慰安婦の強制連行をでっちあげた吉田清治さんだ。

 「軍の命令で朝鮮の女性を強制連行して慰安婦にしました」とふれまわったのを朝日新聞でも取り上げられて一躍の時の人となった吉田さんは、周囲からデタラメだと叩かれると「事実を隠し、自分の主張を混ぜて書くなんていうのは、新聞だってやることじゃありませんか」と開き直った。

 そんな吉田さんだが、歴史学者の秦郁彦氏から世の中に対して謝罪をしたらと諭され、こんな興味深いことを言っている。

「人権屋に利用された私が悪かった」

 利用されたのは恐らく「作家としての功名心」だろう。ごく平凡な共産党員だった吉田さんは強制連行がどうのこうのと言い出す15年ほど前、週刊朝日の「私の八月十五日」という読者投稿コンテストに「吉田東司」というペンネームで応募している。結果は残念ながら佳作。賞金は5000円だった。

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