近年、インターネットを利用した自治体PRが盛り上がっている。香川県の「うどん県」を皮切りに、“実はニューヨークにも負けない大都会”とインターネット上で面白がられているギャグを逆手に取った岡山県の「伝説の岡山市」や、別府、湯布院などの温泉を使い「おんせん県」と名乗った大分県など、各自治体の工夫を凝らしたアピールが目をひく。
タレントの有吉弘行さんらを起用し、いまいち観光資源の魅力が広まっていないと自虐気味にアピールするWebサイト「おしい!広島県」を展開しているのが広島県だ。その広島県がWebサイトに続き、東京都渋谷区にある銭湯「武の湯」でイベントを開催している。2013年11月12日から11月17日までの6日間、武の湯は「おしい!広島県のゆ」として営業し、同県のプロモーション活動を行う。
武の湯でも「おしい!広島県」をPRする。目的は広島県内にある観光資源の知名度向上だが、広島の名産品といえば、筆者が思いつくのは「もみじまんじゅう」ぐらい。だが、武の湯で展開されるのは「レモン」「タコ」など、「それって名産品だったの?」と思うモノばかりだ。
記者発表会に登場したのは、広島県出身のお笑い芸人「アンガールズ」。田中卓志さんは「広島カキの水揚げ量は日本一なのに、関東に来てみると三陸産カキのほうが有名だった。生産量日本一のレモンもあまり知られていない」と広島の魅力を説明するも、報道陣の反応は「知りませんでした」とイマイチ。実に“おしい”。
アンガールズの2人は広島県のPRドラマ「おしい!広島県 THE MOVIE 2」に出演しており、イベント期間中は脱衣所内の専用テレビで放映される。山根良顕さんは「ドラマ本編には2秒しか登場していないが、メイキング映像にはしっかりと映っている。それなのにメイキングの視聴数が伸びない。おしい」と漏らした。
イベント期間中は、来場者(毎日先着200人)に広島の名産品をプレゼントするほか、広島県産レモンを入れた「レモンのゆ」も登場するが、これはイベントの初日(12日)と最終日(17日)しか設置されない。本音を言えば毎日やってほしかっただけに、これもおしい。
イベントではところどころで「おしい!」ポイントが見受けられたが、これも広島県側の狙いなのかもしれない。田中さんは「これから紅葉やカキ、レモンなど広島県のいいところが光る季節になる。この銭湯で広島県の魅力にゆっくり浸かって、実際に広島に来てほしい」とアピールした。おしい!広島県のゆの営業時間は午後2時から翌午前2時(日曜は午前6時から営業)、入浴料は450円(大人)から。平日の夜や週末に訪れてみてはいかがだろうか。
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