就活や転職、若年層を中心としたキャリアについて、仕事柄仕方なく詳しくなったサカタカツミが、その現場で起きている「当事者たちが気付いていないフシギ」について、誰にでもスルッと理解できるように解説するコラム。
使えない部下が毎年出現するのはなぜなのか? その理由も、垣間見えるはずです。
クリエイティブディレクター。1967年生まれ。長年、就職や転職、キャリアに関するサービスのプロデュースやブレーンを務めている関係で、就活や転職には詳しい。直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』、『就職のオキテ』がある。
個人的に書いている就活生向けのブログは、なぜか採用担当者たちから「読んでいて心が痛くなります。ホントにつらいです」という評価を受けている。Twitterアカウントは@KatsumiSakata。
先日、青山のおしゃれなイタリア料理店で、ベンチャー企業の採用担当者と一緒にランチを取っていました。企業の採用担当者が手づくりで用意した新卒採用向けのイベント(参照リンク)の話を聞くためです。
かつてこういうイベントは、学校のキャリアセンターが主催したり、リクナビやマイナビといった新卒採用の領域でビジネスを展開している企業が開催したり、企業が行う場合は1社単独で、というケースがほとんどでした。複数の企業の採用担当者たちが、企業の枠を超えて横断的に一つのイベントに取り組むことは、かなりレアなケース。主幹事の採用担当者に話を聞いていると、以下のような話を熱く語り始めました。
「就活生は、大手ばかり見てしまって、視野が狭くなっています。ただ、大手だけを見て就活が上手くいっても、3年後に3割が辞めてしまう。大手だけ見ていたために、そもそも内定も取ることができず困っている就活生もいる。だったら、もっと視野を広げてベンチャー企業も見てみて、そしてそれからどちらが良いのか決めたら良いですよ、と提案したいのです」
なるほど、確かにそういう側面はあるでしょう。以前からいろんなところで話をしていますが、就活生の活動量は以前と比較して、かなり減っています。複数内定をゲットするのが当たり前、土日や長期休暇はおかまいなしにとにかく頑張りまくる、という就活生は少数派になりました。学校が休みの日は就活もゆっくり、長期休暇などはサクッと自分も休んでしまうという、新しいタイプの就活生が少しずつ増えているのです。
そうなると就活生の視野が狭くなる、というより、限られた時間の中で効率的に就活をしようというアクションを彼らがとるようになるのは、仕方がないことなのかもしれません。なるべく知っている企業(=大企業というわけではなく、就活生にとって知名度の高い企業と理解してください)にエントリーして、内定がゲットできれば「即就活終了」。だめなら、ここで「視野を広げて」内定をもらえそうなところ探す、という感じでしょうか。
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