九十九神とはいえ、明らかに要らないモノは捨てたい。どうしたら捨てる心境になるだろうか。葬式鉄の心理を思い出してほしい。あるいは針供養でもお焚き上げでもいい。キーワードは「供養」である。廃車となる電車に「ありがとう」と言ってけじめをつけるように、廃止される路線や列車を見届けて納得するように、きちんと感謝してお別れをする。その儀式があれば、要らなくなったモノとお別れできる。つまり、捨てられるのではないだろうか。
いや、捨てるではなく、供養だ。書けなくなったボールペンにも、感謝の気持ちを込めてお別れをする。菓子箱もショップの手提げ袋も、私に商品を届けてくれた時点で大役を果たしている。その時点で感謝し供養しないから、ずっとその場に居座り続ける。こうなるともう九十九神ではなく、地縛霊であり、妖怪バショトリではないか。
よし。こうなったら、使わないモノに対して、かたっぱしから感謝して供養してやろう。要らないモノを集めて“お別れ列車”に見立てた台車に乗せ、ゴミ捨て場までラストランだ! ゴミ捨て場ではなく、リサイクルショップやオークションサイトへ向かって“発車”すれば、廃車ツアーの参加費くらいは稼げるかもしれない。そろそろ盛大にモノを見送ってやりたい。
「上野東京ライン」成功のカギは、品川駅が握っている
鉄道ファンは悩ましい存在……鉄道会社がそう感じるワケ
「青春18きっぷ」が存続している理由
なぜ新幹線は飛行機に“勝てた”のか
なぜ「必要悪」の踏切が存在するのか――ここにも本音と建前がCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング