「トラベルジュエリー」という概念があります。旅行などでなくしたりしたら大変だけど、いいものを身につけていたい。そんな時利用されるイミテーションの宝石のことです。高級時計やブランドのバッグやシューズのイミテーションを偽物としてではなく、ハレの日に大事に扱う本物を持った上で、そうではない日、日常の中で気兼ねなく使うようになる。だから、ブランドのイミテーションアイテムが流行する、のではという予測です。
これもそもそもは生活者の安くすませたいという節約欲求に端を発しているのかもしれません。ですが、“本物を持った上で”という点が単なる安モノ志向とは違います。日常と非日常をきちんとすみ分けて過ごす。バブルの時のように毎日浮かれて過ごすのとは違います。生活のハレとケをきちんと分かっているからこそできる行動です。偽物ではあるものの、日常的に使うには最も合理的な使い方です。日本の生活者の成熟の高さを象徴する志向ともいえるでしょう。
生活者はこの先、高度経済成長期のような経済成長がやってくると強く思ってはないでしょうし、日々の暮らしが目に見えて、大きく豊かに変わっていくだろうと考えている人も、そんなに多くなさそうです。でも、同時に、高価なモノやサービスで時間と空間を埋め尽くしたいわけでもないでしょう。節度と品格を保ちながら、普段も楽しみたい。成長期を経たからこその成熟時代のあり方を具現化するようなブームが、このイミテーション志向以外にも生まれてくるかもしれませんね。
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