土肥: 1960年代に発売されたボンカレーは、いまでも店頭に並んでいます。その要因は何だと思われますか?
垣内: 手前味噌になりますが、やはり「ブランドのチカラ」があるのではないでしょうか。さきほどの沖縄の話ではありませんが、レトルトカレーを最も早く開発して、最も早く定着したことが大きいと思いますね。
ただ、ずっと独走していたのですが、2000年ごろにトップの座から落ちてしまいました。売上シェアでみると、3〜4位に。ロングセラー商品ならではの悩みといいますか、新しい商品が相次いで登場して……。
土肥: つまり、消費者の間に「ボンカレーは古臭い」というイメージが付いてきた?
垣内: 残念ながら……はい。
土肥: 全国民が沖縄のような人ばかりであればいいのですが、特に都会の人は新しいモノが好きですからねえ。
垣内: また各メーカーから、低価格商品がどんどん発売されました。100円を切る商品が出てきて、レトルトカレーの世界にもいわゆる“低価格競争”の波が押し寄せてきました。
その波にボンカレーも飲み込まれてしまい、状況はさらに厳しくなり……。そのタイミングで弊社も低価格商品を出せばよかったのかもしれませんが、出しませんでした。さらにリーマンショックがあって、レトルトカレーの価格がどんどん安くなっていったんですよ。このころになると、いくつかのスーパーからボンカレーが外される事態に追い込まれました。
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