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» 2014年02月14日 08時00分 公開

企画を競って業界全体を盛り上げよう――「鉄旅オブザイヤー2013」審査後記杉山淳一の時事日想(2/4 ページ)

[杉山淳一,Business Media 誠]

私の審査は「客観的」と「主観的」

 審査にあたり、私の手元には選考資料として、17作品のツアー募集パンフレットと実施レポートが届いた。評価にあたっては、すべてのツアーに覆面参加して体験してみたいところだが、お金も時間も足りない。企画コンテストだから、企画書で評価するのだと割り切った。ひとつ困ったことは、エントリー作品の中に、私が興味を持って参加した作品があった。とても楽しかったが、その経験はあえて忘れて、評価項目に冷静に対処した。

 具体的な審査手順については申し上げられないが、私の気持ちとしては「客観的」「主観的」の2点を主軸とした。「客観的」とは、その企画が旅行業界、鉄道趣味分野でどれだけの価値を持っているか。そして、畑違いとはいえ私自身も営業企画を立案、実行した経験があるから、企画立案者、実行者の「裏方の努力」も想像した。

 例えば、前回のエントリー作品に「北海道の紅葉の旅」があった。ありきたりの秋の旅のように見えるが、気象や自然条件という不安定要素をアテにして、何カ月も前から貸切列車を手配し募集している。北海道の秋は短く時期を読みにくい。また、北海道は桜が咲かない地域も多く、紅葉が重要イベントになっている。「観楓会」(かんぷうかい:紅葉を鑑賞する集い)と称して宴会が開かれる独特の文化があり、宿泊施設も混雑する。貸切列車の紅葉旅は、気象に対する知識や現地の経験がないと成立しない。こういう企画は高く評価したい。

 「主観的」とは、ズバリ「私が参加したいと思うか」である。多彩な審査委員を選出したということは、個々の審査員の経験や性格、趣味嗜好を加味してほしいという意図だろう。私にとっては既乗路線や車両よりも、未知の路線や車両のほうが興味深い。魚嫌いの私は海の幸がたっぷり出そうなツアーは敬遠するし、うまい肉が出そうなツアーには頬が緩む。また、ライターとして、体験記を書いてみたいか、という視点も加えた。「客観的」「主観的」の割合は7:3くらいだ。主観の反映はわずかだが、各方面から14名も審査委員がいるから、このくらいは許されるだろう。そうでなければ、私が参加している意味がない。

鉄旅オブザイヤー2013 受賞者と審査委員の記念撮影(提供:日本旅行)

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