コンビニのデリバリーが、なかなか浸透しないワケご一緒に“おでん”いかがですか(2/4 ページ)

» 2014年04月01日 08時00分 公開
[川乃もりや,Business Media 誠]

コンビニにとっては有利な環境

 その昔は、ラーメン屋、そば屋など出前を頼める店が近所にあった。今は残念ながら出前をやっている店は随分少なくなった。

 その代わりに台頭してきたのが、ピザを始めとするデリバリー専門店だ。しかし、これらデリバリー専門店は前もって注文をしておかないと、届くまでに時間がかかることが多くなってきたように思える。

 20年ほど前ならば、ピザの配達時間は30分ほどだったが(30分以内に運べなかったら割引という店があった)、事故の誘発などを理由に、いまでは短時間配達は行っていない。

 そんなデリバリーだが、コンビニにとっては有利な環境だと考えている。理由のひとつに挙げられるのは、単身高齢者の増加だ。「買い物難民」という言葉が生まれるほど、今後も高齢者の買い物に対するハードルは高くなっていくだろう。

 かつては日用品を配達してもらう人が多いように感じていたが、最近ではその日の食べ物に対する需要のほうが高いのではないだろうか。すでに、高齢者世帯に向けてのデリバリー専門業者も出てきているが、まだまだ浸透しきれていないのは、長期間の契約など使い勝手の悪さがうかがえる。

 もう1つ、独身者向けの需要が高いと思っている。前述の通り、ラーメン屋やそば屋といった従来の出前が減ってきているが、需要がなくなったわけではない。

 筆者のように、デリバリーというのは「たくさんの人が家に集まったときに注文するもの」といった考えの人も多いはず。単身者用に気軽に注文できる環境を整えていけば、デリバリー市場は拡大していくだろう。

 現在の環境を考えると、コンビニは優位な立場にいるはずだ。チェーン店というネームバリュー、気軽さは圧倒的にコンビニは強い。でも、コンビニデリバリーは浸透していない。なぜか?

なぜコンビニデリバリーは浸透しないのか

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