インタビュー
» 2014年04月01日 12時00分 公開

「買ってから選べるEC」――ロコンドが華々しい初年度の大失敗から学んだことこれからの働き方、新時代のリーダー(2/3 ページ)

[岡田大助,Business Media 誠]

提供すべきは「おもてなし」ではなく、「ほっこり」体験

岡田: ロコンドは、「おもてなし」の心で徹底した顧客サービスを提供すると強調していましたね。その考えは変わってませんか?

田中: 戦略の根幹部分は変わってませんが、今では「おもてなし」から「ほっこり」に変わりました。おもてなしというと「いろいろやってあげる」というニュアンスもあって、われわれが本当にやりたかったのはこれなのか? と。

岡田: 「ほっこり」ってどんな体験ですか?

田中: ロコンドはECサイトですが、単純に商品を販売するのではなくて、その体験を提供したいと思っています。じゃあ、それがザッポスのような「ワオ(WOW、期待以上のものを得たときの感動)」なのかといえば、それも違います。「ワオ」は刹那的というか、お客さんが1回、「ワオ」となったことに、2回も3回も「ワオ」とはなりませんよね。

 ロコンドは、お客さんと中長期的な、近い距離での心のつながりを持ちたいと思いました。それを表現する言葉が「ほっこり」、日常的な居心地の良さです。これは、「買ってから選ぶ。」というロコンドのビジネスモデルにも通低しています。

岡田: 返品可能だし、返品に費用もかからないので、サイズが分からなかったら複数購入して、不要なものは返品OKという使い方ですよね。

田中: 自宅で試着できることって、すごく楽しい体験だと思います。あるお客さんからメールをもらいましたが、その家庭ではまず奥さんが靴を購入した。試着して選べるという体験が楽しくて、次に子どもの靴を購入して、その次にご主人の靴を購入して。今では、月に1回、週末が大試着会になったといいます。

 ほっこりには「自宅で」という部分が重要なんです。店頭での試着って、いろいろ疲れませんか? 小さい子どもがいたら、時間を費やすだけの作業になりかねません。でも、自宅であれば心行くまで、それこそエンターテインメントのように試着を楽しめると思うのです。

ロコンド オフィス入口に貼ってあったお客さんからのありがとうの声

岡田: 足のサイズって、朝と夕方では違いますしね。

田中: そうなんです。外反母趾(がいはんぼし)を患っているお客さんにとっては、試着は生命線なんですよね。ロコンドなら、朝夕どころか、寝起きから就寝直前まで何度でも試着できます。これは店頭ではできませんし、たとえできたとしても4回も来店して試着したら、「そろそろ買ってくれませんか?」といわれかねない(笑)。

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