製薬会社が“疾患”をつくり出すことで薬を売っているように、ビジネスとして新たな“階層”をつくらなければいけないというのはよく分かる。なので、「マイルドヤンキー」自体を否定するつもりはさらさらない。ただ、この“階層”がおかしな文脈で使われないかだけが心配なのだ。
孔子は「論語」の中で、政治は名を正すことから始まる、と述べた。
誤った名(言葉)がまん延していると、人々が現実を把握できない。現実から目をそらした社会は秩序が乱れる。だから、世の中を良くしたければ正しい言葉をつかいなさい、というわけだ。
経済も悪くなり秩序が乱れそうなこのタイミングで、「マイルドヤンキー」という面白ワードがポンと出てきて、もてはやされている。
この現象が意味することを、もうちょっと冷静になって考えるべきではないか。
ブラック企業問題はなぜ「辞めればいいじゃん」で解決しないのか
NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由
朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由
竹田恒泰さん、どうします? 東京五輪は「ヤクザ・オリンピック」だって
ゴーストライターの私はこう思う、新垣隆さんは「ゴースト」ではないCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング