「京都」にも引けをとらない後発「大阪検定」、人気の秘密は?受験意欲を喚起(1/3 ページ)

» 2014年06月13日 07時44分 公開
[産経新聞]

 特定の地域の歴史や文化、産業などについての知識を問う検定試験として、平成15年ごろから全国で相次いで始まり、ブームになった“ご当地検定”。受験者数の減少で休止となったものもあるが、大阪商工会議所が主催する「なにわなんでも大阪検定」は21年の開始ながらも3千人程度の受験者数で定着しており、第6回試験が7月6日、大阪工業大学大宮キャンパス(大阪市旭区)など大阪府内3会場で行われる。人気の理由を探ると、後発ならではの数々のアイデアが盛り込まれていた。(栗川喜典)

今回も3千人規模

大阪検定の過去問題例(なにわなんでも大阪検定のホームページより)

 問い 織田作之助の短編『世相』から引用した次の文章で、( )に当てはまる語句を答えてください。

 「突き当って右へ折れると、客引きと易者と寿司屋で有名な( )小学校裏の通りへ出るし、左へ折れてくねくね曲って行くと、難波から千日前に通ずる南海通りの漫才小屋の表へ出るというややこしい路地である。」

 これは昨年の第5回大阪検定1級で出た問題だ。答えは「精華」小学校。児童数の減少で平成7年に廃校となった。大阪出身の小説家、織田作之助の作品を知らなくても、ミナミの歴史に明るければ答えは分かるため、1級受験者301人の正答率は52.1%だった。

 こうした大阪の多彩な分野の知識を問うのが「大阪検定」。3級と2級に加え、2級合格者だけが挑戦できる1級がある。第5回は計2909人が受験し、1647人が合格した(合格率56.6%)。

 大阪検定を主催する大商によると、21年の第1回は3級と2級に計5822人が挑んだ。以降も年1回開催され、1級が加わった第2回の受験者数は計3644人、第3回は計3154人、第4回は計2910人と減少しているものの、3千人規模で推移している。

 第6回の申し込みは5月28日で締め切られて集計中だが、やはり計3千人近くになりそうだという。「リピーターの受験者も例年、数十人単位でみられる」と、大商地域振興部の中野亮一部長は話す。

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