富士通は7月23日、スマートフォン新機種「らくらくスマートフォン3」(NTTドコモ向け)と従来型携帯電話新機種「ドコモらくらくホン8 F-08F」(同)を発表。らくらくスマートフォン3を2014年7月26日に発売する(ドコモらくらくホン8は2014年9月中旬発売予定)。
らくらくホン、らくらくスマートフォンシリーズは、累計2500万台を販売し、現在も約900万人が使用。指名買いや機種変更(次もらくらくホンへ)の率も高い、シニア向け携帯電話として高い知名度がある主力ブランド。らくらくスマートフォン3は、シリーズ共通の見やすさ、聞きやすさ、使いやすさの工夫はそのままに、外観デザインとメニュー画面のカラーを統一し、より洗練された見た目となった。
ポイントは、“意識の高い”シニア層(利用者)と、その子ども世代(贈る、使わせる)、それぞれへの訴求。自身の所有満足度と“家族のつながり”を商品テーマに込め、まだスマートフォンを利用していないシニア層が求める上質なデザインの実現と、スマートフォンに対する不満・期待の声を集約し、分析。「今、この世代に求められている」スマートフォンに仕立てたという。
デザインとユーザーインタフェースは、無印良品のアートディレクションなどを手がけ、らくらくホンシリーズとしても「らくらくホン ベーシック」を手がけたグラフィックデザイナーの原研哉氏が手がけた。手になじむフォルムや推しやすいホームボタン、操作性を向上した専用のメニュー画面、そして深いつやのある赤、パール塗装の白、落ち着いたつや消し黒など、所有者の感性を考慮した上質なデザインに工夫した。「らくらくシリーズ=老人向け、そんなつもりはまったくない。普通のことを普通に簡単にできる──そんなプロダクトを目指しました」(原氏)。
操作メニューも、本体カラーと画面色を統一し、美しく一体感のあるデザインにした。操作部をボタンのように立体的に見せて押しやすく、アイコンのデザインや配置も見直し、そして表示する文字も半角や長体を使わないよう見やすさを徹底した。触れて震えるタッチフィードバック機能により、タッチ操作ながら実際のボタンを押すような感触が得られる操作感向上の工夫も、前モデルより継承して搭載する。
富士通のハイエンドスマートフォン「ARROWS NX F-05F」に採用した、高精度な日本語入力システム「Super ATOK ULTIAS(関連記事参照)」も採用。先進性のアピールというより、高精度の入力環境を「使いやすさの徹底」のために用いる。テンキースタイル(従来型携帯電話)のらくらくホンから乗り換える多くのシニア層を意識し、押した行の文字がすべてポップアップ表示する、スマートフォンならではのテンキー入力+α的な新たな入力方法「らくらく2タッチ入力」も初めて搭載した。
現代のICT環境を生かした、“離れていてもつながる”の概念を取り入れたのもかなり大きなポイントだ。新たに「ファミリーページ」と呼ぶ家族専用のSNS的機能を備え、利用者が意識せずとも、ミドル層(子どもや孫)からのメッセージや写真をトップ画面(待受画面)へ自動で表示できるようにした。
ミドル層や孫は、自分のスマホに「ファミリーページアクセス用の専用アプリ」(Android版/iOS版)をインストールし、メッセージや写真を投稿するだけで「親(あるいは祖父、祖母)の」らくらくスマートフォン3へ直接メッセージや写真を届けられる仕組み。汎用アプリを使わせるより「教える側も簡単」。なるほどと感心できる「親へ贈る/使わせる」のプラスαを後押しできる機能といえる。
また、スマートフォンは何か嫌──。そう言うシニア世代に向け、従来型デザインのらくらくホン「ドコモらくらくホン8 F-08F」も用意する。
折りたたみボディで押しやすいボタン型のテンキー搭載。3つのワンタッチダイヤルボタン、聞き取りにくい声を補正する「スーパーはっきりボイス3」、相手の声をゆっくり聞こえる用にする「ゆっくりボイス」など、前モデル「ドコモらくらくホン7」をベースにカメラ機能の強化やデコメ絵文字数を増やし、小変更を加えた。操作方法や料金などの相談を無料で受けられる「電話相談窓口」専用ボタンも継承して搭載する。
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