いうまでもなく、そんな多額の資金を出したクレイン社(というより、その親会社であるゴールドマンサックス)も、慈善事業としてそのお金を出したわけではありません。その資金をいつかは回収して、最終的には儲けを得ることを狙っています。
実際、ゴールドマンサックスが実質的な筆頭株主になってからは、息のかかった人間を社長に就任させたり、早期退職による人件費圧縮を行うなどし、経営の立て直しに本腰を入れ続けてきました。
その成果が少しずつ出て来場者数も増加に転じ、さらには今回、「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」の投入でテーマパークの魅力度が今までにないレベルにまで高まりました。このタイミングは、ゴールドマンサックスにとって「750億円を取り戻す」格好のチャンスととらえることもできます。
株式を再び上場させて、「誰でもユー・エス・ジェイの株式を買える」状態になったとき、「今のユー・エス・ジェイなら、高値で株式を買ってもいい!」という人が増えるかもしれません。そうなると、750億円を回収……いや、それ以上のお金が手に入るかもしれません。今回の再上場は、このような株主の思惑を背景に、検討が進められているわけです。
いかがだったでしょうか。人々に夢を与えるテーマパークが、より面白い、魅力的な場所になることは大歓迎ですが、そのためには多額の資金が必要になります。もし再上場が実現した場合には、ゴールドマンサックスによる投資回収だけにとどまらず、さらに面白いアトラクションが増えるかもしれません。
テーマパーク業界は長年東京ディズニーリゾートが独走状態にありましたが、大阪のUSJがそこにどこまで肉薄できるか? これからも楽しみに見守りたいと思います。
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