厚労省と農水省が、「炭水化物」をススメている理由窪田順生の時事日想(4/4 ページ)

» 2014年08月05日 08時33分 公開
[窪田順生,Business Media 誠]
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 安倍晋三首相が「農協改革」の本丸として位置づけた全国農業共同組合中央会(JA全中)の解体がサクッと骨抜きにされた。

 無理もない。農家のみなさんからすればなんやかんやいっても高値で米を買ってくれて、流通を牛耳る農協はありがたいのだ。ただ、なによりも今まで散々チヤホヤしてきておいて、いきなり手のひら返しかよという思いもあるに違いない。

 そこでひとつ提案だが、まずは「主食」という言葉を政府が使うのを止めてみたらどうだろう。補助金や輸入米の排除という国策ではなく、自分たちの実力で「主役」の座を勝ち取る。JAの流通ルートから離脱した「JA越前たけふ」(米の直接販売や経済事業〈購買・販売事業〉の分社化などを行っている)のように一部の稲作農家のなかには「保護」ではなく「競争」に自分たちが生き残る道を見出した。

 大手芸能事務所のアイドルのように、国家が「これは主食だから食べろ」とゴリ押ししても消費者はなかなか受け入れられない。国民が誰に言われるわけでもなく、ごく自然に「やっぱ米は主食だよね」と受け入れる。

 そんな米を農家のみなさんがつくってくれた時、日本の農業は再生する。

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