2014年8月12日の夕刻、フジテレビで『8.12日航機墜落 30回目の夏 生存者が今明かす“32分間の闘い” ボイスレコーダーの“新たな声”』という番組が放送された。番組では1985年8月12日に起こった日本航空123便墜落事故について「墜落機のボイスレコーダーの原音に近い、明瞭な音声テープが見つかった」とし、コクピットの会話を再現。事故調査報告書では「聞き取れなかった」と伏せ字になっていた約60カ所のうち18カ所を明らかにした。最新の音響解析技術を使った原因究明が印象的だった。
録音されていた爆発音について、事故調査報告書にある「ドーン」の1回だけではなく、3回だった。米国の専門家は、最初の爆発音が機体と空気の両方から伝わったと分析。金属と空気で音の伝達速度に差があるとして、そこから計算して爆発音の発生位置を突き止めた。
結果としては事故調査報告書にある「圧力隔壁原因説」を裏付けた格好で、「新事実」ではなかった。しかし、撃墜・テロなどの他説をハッキリと否定できた。事故原因に関する雑音が消えたことは、再発防止に大いに貢献する。説得力のある報道番組だった。
8月12日に放送された番組『8.12日航機墜落 30回目の夏 生存者が今明かす“32分間の闘い” ボイスレコーダーの“新たな声”』
では、鉄道の事故はどうか。
- JR北海道の問題はどこにあるのか。そして解決する方法はあるのか。
列車火災、脱線事故などを発端としたJR北海道の整備ミス問題は収束どころか拡大する一方だ。いま、JR北海道の鉄道を守るために誰が立ち上がるべきか。現場の職員だ。風当たりは強かろう。しかしこれを再生のチャンスとして改革を進めてほしい。
- JR北海道は今、何をすべきか――西武鉄道にヒントあり
JR北海道の一連の整備不良問題は、ついに会社全体の不祥事となってしまった。監督官庁である国土交通省は特別保安監査を無期限で実施するという異例の処置をとっている。正すべきは正し、その後のJR北海道はどうすべきか。
- なぜJR北海道でトラブルが続くのか
JR北海道で車両火災などトラブルが頻発している。車両の新旧や該当箇所もまちまち。共通の原因を見つけ出すとするなら、それは車両ではなく運用だ。JR北海道は昨年、整備体制の不備を会計監査院に指摘され、国土交通省から業務改善命令も受けていた。
- 鉄道の不祥事から、何を学べばいいのか
JR貨物で「機関車の安全装置が働かないまま6年間も稼働していた」と報じられた。同じ日、三重県の三岐鉄道で電車が脱線した。こういう報道があったとき、野次馬になるか、教訓とするか。あなたはどちらだろうか。
- JR北海道不祥事で明るみに出た「鉄道部品コレクション」とは
鉄道ファンにとって「鉄道部品」は価値のあるものだ。誰にも迷惑をかけないはずの、ささやかな趣味が、マスコミの攻撃対象になってしまった。この趣味もそろそろ健全化への取り組みが必要かもしれない。
- 中国高速鉄道で、また事故が起きるかもしれない
2011年7月23日、中国浙江省温州市で起きた高速鉄道の転覆事故から1年が経過した。中国政府は市民の批判を恐れて報道を規制しているという。しかし、本当に恐れるべきは批判ではなく、事故の再発だ。
- フランスの列車事故は他人事でない――日本にも警鐘を鳴らしている
フランスで大きな列車事故が起きた。7両編成の特急列車が駅を通過しようとしたところ脱線し、少なくとも7人が死亡。重傷者多数。原因は線路にあるという。その背景に鉄道経営のトレンド「上下分離」がありそうだ。
- ぜんぶ雪のせい……ではなかった? 東横線追突事故
2014年2月15日。東急東横線元住吉駅で電車の追突事故が起きた。大雪の惨事、死者がなくて不幸中の幸いだ。報道によると、非常ブレーキが作動したにもかかわらず、電車が停まらなかったという。でも、それって……。
- 鉄道のトンネルは、安全なのか
中央高速道路の笹子トンネルで天井に張られたコンクリート板が崩れ落ちるという、残念な事故が起きた。鉄道にもトンネルがあり、過去にいくつも事故を経験している。現在の鉄道トンネルの安全性はどうなっているのだろうか。
- 運転士の失神・発作……列車は大丈夫なのか
京都でクルマが交差点に突入し、8人が死亡する事故が起きた。ドライバーが病気で失神していた可能性もあるという。鉄道の世界はワンマンカーが増えているが、もし運転士が運転中に意識を失えばどうなるのか。
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