当人はきっとある程度年齢も重ねており、LinkedInを使うこともないのだろう。自分のニセモノが活発に動いてネットワーキングをしていること、ましてやマネーロンダリングの誘いを日夜出し続けているなんて、当人も友人もまったく知らないはずだ。
しかし、もしかするとどこかでウワサになっているかもしれない。「○○銀行の○○さんはヤバイことを陰でやっている」と。これもまた迷惑な話だ。その銀行のご当人に警告してあげようと思ったが、銀行の日本語ページには部署名も連絡先も書いてないのでやめた(下手に本店代表電話にかけて、自分が詐欺師の一味と勘違いされる可能性もあった)。
なぜこうした詐欺師たちが次々と私にコンタクトしてくるのか。知らなかったとはいえ、詐欺師たちを「友人承認」をしてしまったためだろう。そして、英語で何度かメッセージのやり取りをしているので「反応あり」(ターゲット予備軍)と彼らのデータベースに記録されてしまった可能性が高い。まったく迷惑な話である。
怪しいオファーをしてきた連中は、そのあとで「友人」から削除したが(大半は無視しているうちに、いつの間にか登録抹消されている)、まだ残っているのかもしれないし、ハブの役割だけ果たす人間もいる可能性もある(LinkedInは友人の友人を自動的に紹介する仕組みになっている)。
ちなみに、LinkedInというビジネス向けSNSは、こうした怪しい人物ばかりのたまり場というわけではない。人脈づくりを支援したり、協業先を探したりするのにもちゃんと役に立つ。事実、私の会社にも時折外国企業から仕事の問い合わせや商材の売り込み、協業打診などが舞い込んでくる。これは「僕ね、今こんな食事をしてるんだ!」といきなりワケの分からないプライベートを見せつけられるFacebookより、よほど有用だと思っている。(日沖博道)
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