なぜ、外食産業はIT化で悩むのか。そして、予約革命とは何か。
スマートデバイスの普及とともに、情報収集、コミュニケーション、購買など、これまでアナログな方法で行っていたさまざまなことが、手元のスマホでできるようになった。飲食店を探すにも、適当なお店検索アプリやサイトでサッと調べればよい。
では、見つけた飲食店へ予約を入れるにはどうしているか。電話だ。予約は入れたが、予想以上に人数が増えた。ここも電話だ。客は気まぐれ。飲食店は昔から、「手書きの予約台帳」で予約状況を把握し、管理してきた。予約日時や人数の変更が日常茶飯事だから、無理してIT化するよりも、結果として単純な手書きの方法に落ち着く。スタッフへの業務教育も比較的簡単だ。
一方、利用者は、もう予約もスマホアプリで完結したい。例えば旅行や美容業界はネット予約が定着したようだ。美容室の予約は、電話でなく「ホットペッパービューティ」などを使う。「利用者の8割がネット予約の手段に満足している。いつでも、どこでも予約ができ、かつ、ポイントがたまる。電話をするよりお得だからでしょう」(リクルートライフスタイル ホットペッパーグルメの南裕樹プロデューサー)。ホットペッパーグルメも、アプリで直接予約できるネット予約対応店を増やしている。2013年度は前年比200%の約1000万人を送客するまでネット予約率を高めており、すでに70%以上がスマホからのアクセスなのだそうだ。
でも、昔からの飲食店は、ネット予約が増えると実は困る。ただでさえ煩雑な手書きの予約台帳へ、ネット予約の分も“手書き”で転記や修正をしなければならないからだ。ネット予約が増えるほど店の運用負荷が増え、運用ミスが発生するリスクも高まる。
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