“スマホの次”は何か。最新テクノロジーをどう活用して業務、サービスに結び付けるか。
「すいませーん」と大声で呼ばなくてもよくなる。「料理はまだかな」とイライラせず楽しく待てる。「料理がおしゃれすぎる名称」でもメニューを見るだけで注文OK。「このように、別に難しく考えなくてもよいかもしれません。まずは楽しい、便利になることから考えてみればいかがでしょう」──。リクルートテクノロジーズが2014年3月末、現代のテクノロジーを効果的に取り入れると「近未来のレストランがどうなるか」を提案する技術検証イベントを行った。
主軸のテーマは「ウエアラブル」。ユーザーが主に使うデバイス(媒体)は、紙メディア、PCでのインターネット、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)と変遷し、昨今はスマートデバイス(スマートフォン、タブレット)でのパーソナルサイズの機器とタッチ操作スタイルが主流。ただ、とても急激だったスマートフォンシフトを振り返るまでもなく、この先2年後、3年後は“それではない何か”に変わっているかもしれない。次の変革に出遅れないよう、顧客サービスを展開する企業は、種をすでにまいておかなければ間に合わないと言われている。
なぜレストランなのか。なぜ「ウエアラブル」なのか。そして来たる「スマホの次」をどう考えているのか。イベント開催のキーマンであるリクルートテクノロジーズ執行役員 アドバンスドテクノロジーラボの米谷修氏に話を聞いた。
── リクルートがこういうイベント、技術的な展示を今行った理由は何でしょう。イベントの趣旨を改めて教えて下さい。
例えば、レストランにウエアラブル機器「スマートグラス」を取り入れると……などの提案が目的。それっぽいデコレーションは雰囲気づくりのためであるが、ここも未来レストランとして「顧客サービスのレベルを高める一環」であるリクルートテクノロジーズ アドバンスドテクノロジーラボの米谷修氏(以下、米谷氏) リクルートは紙メディアからスタートして、インターネットの普及とともにインターネット系のサービス、商品に事業を広げました。インターネットはこれまで通り使いつつも、利用者の使い方はご存じの通り大きく変化しています。ごく簡単に述べても、デスクトップPCからノート/モバイルPC、従来型携帯電話(iモードなど)、そして現在はスマートフォンが主流です。それぞれユーザーが見るメディア、使うデバイスが変わるタイミングで、サービスも新しいデバイスに最適化されたものが出てきますし、なにより新しいデバイスへいかに早く対応するかがビジネス展開にとって非常に大事になります。
例えば国産SNSのM社。成功していた携帯電話(フィーチャーフォン)時代からスマートデバイスへ移る課程でこのシフトに対応するのがとても難しかったと聞いています。逆に、スマートデバイスを主ターゲットに専業でオンラインゲームを展開した企業はすごく伸びました。
つまり、デバイスへの対応スピードについていけないとサービス、事業は成り立ちません。現時点は安泰でも、主流のデバイスに合わせてサービスも最適化しなければすでに競争さえできないことを意味します。こちらはおそらく、Webサービスを事業として展開するみなさんはご存じの通りと思います。
自分のスマホが「そのままメニュー端末に、さらに決済端末」になる提案。近接無線通信技術であるBluetooth Low Energyを用いた「iBeacon」機能を用いて実現する。iBeaconはアップルのiOS 7以降で標準対応する機能。iPhoneでは使えず普及が伸び悩んでいるNFCに対して、iBeaconはO2O(Online to Offline:オンラインの情報からオフラインの消費行動を促すマーケティング施策)の切り札と言われている
ポイントは「店へ誘導できる」(近づいたら有益な情報をプッシュで通知できる)、「客、店員ともに注文時の手間を省ける」(着席すれば、手元のスマホで注文できる)、「(システム構築により)このままキャッシュレス決済も可能」などを実現できること。各テーブルやレジ付近にビーコンの親機を置き、ユーザーのいる場所に応じて適切な情報、機能を提供できる
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