いつまでも過去の栄光にすがってしまう「新・大企業病」って?サカタカツミ「新しい会社のオキテ」(1/3 ページ)

» 2014年09月08日 08時45分 公開
[サカタカツミ,Business Media 誠]

著者プロフィール:サカタカツミ

 クリエイティブディレクター。就活や転職関連のサービスをプロデュースしたり、このような連載をしていたりする関係で、そちら方面のプロフェッショナルと思われがちだが、実は事業そのものやサービス、マーケティング、コミュニケーションの仕組みなどを開発するのが本来の仕事。

 直近でプロデュースしたサイトは「CodeIQ」「MakersHub」。著書に『こんなことは誰でも知っている! 会社のオキテ』『就職のオキテ』。この連載についても、個人的に書いているブログでサブノート的なエントリーを書く予定。Twitterアカウントは@KatsumiSakata


 言い訳を続ける男に、女は吐き捨てるように言った。「あなたの言う『普通』って、何を意味しているの? 『常識的に』ってどういうことなの?」と。

 ――別にどこかで見かけた風景を、三文小説のように書いてみようと思ったわけではありません。しかし確かに、会話の中で「フツーは」とか「常識で考えると」とか「一般的に」と、繰り返し言われると「え、それはどこの常識なのかな」とか、「フツーって、あなたにとってだけじゃないの?」とか、言いたくなることがありますよね。今日はそんな視点から、新しい大企業病の話を。

あなたの言う『普通』って何?(写真はイメージです)

「フツー」という言葉に仕掛けられた罠

 上司に怒られた部下が困り果ててしまう、捨て台詞というのがあります。おそらく、「そんなことは自分で考えろ!」と双璧をなすと思われるのが「フツーはそうじゃないだろう」というフレーズ。

 言われた部下にしてみれば、「フツーとは何か」が分からないから、上司に怒られてしまうようなことをやってしまうのです。そんな人に「フツー」と言ったところで、フリーズしてしまうだけ。

 しかし、叱っている上司はそのことに気づかないことがほとんど。相手と自分とは違う、自分のフツーと相手のフツーとは違うものだ、という認識を、多くの人はなかなかできないのです。

 もちろん普通に考えると(ややこしくなってきました 笑)、「普通」とは、ごくありふれている、珍しくない、特別に変わっていない、という意味ですから、「相手のフツーと自分のフツーは違わない」、そう考えるのが普通です。

 けれども、それは育った環境や受けた教育などに、大きな差がない状態であることが前提。国や宗教が違えば常識も異なりますし、育った環境や時代によっても「フツー」は違ってきます。そう「フツー」という言葉を安易に使っても平気だったのは、もはや過去の話なのです。

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