「次」の情報セキュリティ──私たちは、何を考えるべきか松岡功の時事日想(2/4 ページ)

» 2014年10月08日 08時00分 公開
[松岡功,Business Media 誠]

ますます加速する、モバイル機器への脅威

photo モバイル機器への脅威が急増している(写真はイメージです)

 デイビス氏は情報セキュリティで今後考慮するポイントとして、「モバイルの脅威」「すべてを変革するIoT(Internet of Things:モノのインターネット)」「プライバシー問題」「個人情報漏えい問題」の4つを挙げた。それぞれ順に何かを説明していく。

 まずは「モバイルの脅威」から。スマートフォンをはじめとするモバイル機器(スマートデバイス)は、PCの10倍の勢いで急増している。米ガートナーによれば、2015年には全世界で73億台が利用され、世界の人口を超える規模に、つまり、一人1台以上を使うほど普及すると予測されている。もちろん、普及度の高い先進国では、一人数台〜二ケタ台を持つのが当たり前になっていることを示す。

 そんな急増するモバイル機器とその利用者は母数が多いだけに、“カモ”の数も多くなる。悪意ある者の格好のターゲットであり、やはり、モバイル機器向けのマルウェアや脅威は機器と同様に急増している。「モバイル機器も、保存された個人情報を盗み、金銭を目的に決済機能を攻撃の標的にされる」(マカフィーのデイビス氏)。PCではないから安全、そんなはずはない。

 実際、不正な動作を行う“悪意あるスマホアプリ”も増えている。悪意あるアプリとは、例えば端末の固有IDから通信事業者の個人情報を盗み見たり、位置情報などを採取して利用者の行動を追跡したり、カレンダーを盗み見たり、機器に登録されているアドレス帳にアクセスしたり、といった類いのものだ。アドレス帳へのアクセスが由来する不正行為については、日本でもソーシャルネットワークサービス(SNS)であるLINEのアカウントが乗っ取られる事件がここ数カ月、相次いだのも記憶に新しいだろう。

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