本連載は、米山公啓著、書籍『脳を強くする56の習慣』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。
最近、うっかり用事を忘れることが増えた、発想がどうもマンネリだ――あなたにも心当たりはありませんか?
「自分はまだまだ大丈夫」と思っていても、家族や周りの人が認知症や脳梗塞になった途端、他人事ではすまなくなります。
では、「強い脳」とは何でしょうか? 記憶力や集中力が高く、さらには豊かな創造性を発揮する脳のことをいいます。まずは動脈硬化にならない、健康であることが「強い脳」への第一歩です。
本書では医学博士の米山公啓氏が、最新の知見をもとに脳を「強くする」習慣を紹介します。
「1日3杯のコーヒー習慣」「新作映画を映画館で観る」などの、強い脳をつくる、日常生活でちょっとひと工夫すれば実践できるものばかりです。さあ、あなたも今日から始めてみませんか。
「PCを使うと脳がダメになる」とか、「ゲームをするとバカになる」などといわれていた時期がありましたが、最近ではその逆の研究報告が増えてきました。
脳を鍛えるためには、むしろ積極的にPCを使っていくほうがよさそうです。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究によれば、中年やそれ以上の年齢の人にとって、インターネットを使うことは、脳の機能向上につながることが分かりました。
インターネットを使って検索すると、意思決定と複雑な推論をするので、脳を刺激することになるというのです。
例えば、欲しいものを検索するときのことを想像してください。白いテーブルで、シンプルなデザインのものが欲しいと思って検索するとき、いくつかのキーワードを考え、検索で出てきた画像を見ながら、さらに検索を絞り込んでいきます。
そんな脳の使い方が脳を刺激するのです。以前はコンピュータを使うと脳を刺激しなくなるという考えが少なくありませんでしたが、いくらコンピュータといってもすべて自動でやってくれるわけではなく、検索には常に判断が必要となるので、その行為が脳を刺激するというわけです。
カーレース・ゲームを1カ月間に12時間行った60〜85歳の高齢者は、未経験の20代若年層よりも高い点数を出せるようになったという実験結果があります。つまり年齢に関係なく、決まった時間、ゲームの訓練をすれば、脳は変化して機能がアップするということです。
さらに重要なことは、こういったゲームをすることで、ワーキングメモリー(作業記憶)と持続的注意力が向上するということです。
もちろん、ゲームはなんでもいいというわけではありません。マルチタスクといって、同時にいろいろなことをしていくゲームが重要なのです。
いずれにしても、テレビゲームが脳にはよくないというわけではなく、きちんと作られたゲームによっては脳を鍛えることができるのです。
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