「ゲームはバカになる」はウソ?脳を強くする56の習慣(2/2 ページ)

» 2014年10月24日 07時00分 公開
[米山公啓,Business Media 誠]
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朝一番の朝食が勝負!

 高齢者にブドウ糖を飲ませると、記憶が「忘れない記憶」に変化することが分かっています。これは、アドレナリンが血液中に分泌されると、肝臓からブドウ糖が放出され、記憶の増強が起きるためです。朝食が単語の記憶力にどう影響するのかを調べた研究では、朝食を食べたグループが明らかに優れた成績を示しました。

 また、1日に必要なブドウ糖の約25%を朝食でとると、計算能力や創造力が高まったとする研究結果もあります。これらのことからも、ブドウ糖が記憶の強化に影響することが分かります。

 ブドウ糖は、脳に入っていける唯一の脳神経細胞のエネルギー源ですから、重要な物質であることには間違いありませんが、記憶の定着にも直接影響しているのです。

 脳は、比重にすると体重の2%程度ですが、エネルギー消費量では全体の18%もあり、1日に120グラムのブドウ糖が必要といわれています。しかし、脳にはブドウ糖をためておくことができないので、常に血液中からブドウ糖を補給する必要があるのです。

(写真と本文は関係ありません)

 ここで再確認してほしいのが、朝食の重要性です。

 朝はとくにブドウ糖が足りない状態ですから、きちんと朝食をとって脳に十分なエネルギーを補給しなければいけません。食事でブドウ糖を補う場合には、米やパン、めん類などのでんぷん質が欠かせません。米やパンなどを食べて約30分で、血液中のブドウ糖の量はピークに達します。ここで脳に供給されずに余ったブドウ糖は、肝臓にグリコーゲンとして備蓄されますが、その量はそれほど多くありません。

 だからこそきちんと朝食をとって、脳のエネルギーを補給することが重要です。

 朝食抜きで仕事に取りかかれば、記憶力は低下してしまいますから、仕事の能率が悪くなるのは明らかです。だからと言って、糖分が多すぎる食事では、動作が鈍くなり、集中力の低下を招きます。

 バランスのいい食事を心がけ、主食の米やパンに含まれるでんぷん質で必要なブドウ糖を補うのがもっとも効果的な方法なのです。

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