そして、3つ目の理由。それは「スマートフォンらしいキラーコンテンツの不足」である。
日本のスマートフォン市場におけるキラーコンテンツは、言わずと知れた「LINE」である。とりわけ若年層や女性層では、“LINEをするためにスマホを買う”のが大きな目的となっているわけだが、このLINEに続いて社会的ムーブメントになるようなスマートフォンのキラーコンテンツが出ていないのが実情である。ユニークなアプリやサービスはあるのだが、誤解を恐れずに言えば、同調圧力で「スマホを買わなければならない」と感じさせるようなものが不足しているのだ。
スマートフォン時代のキラーコンテンツ/サービス作りについては、これまでネット企業を中心に行われてきたが、今後は大手キャリアの役割が重要になる。なぜなら、ITリテラシーがそれほど高くない一般ユーザー層との接点やアフターサービス体制を持つのは大手キャリアだからだ。
そういった観点では、NTTドコモが以前から注力する「dマーケット」はとても重要な段階に入っており、KDDIが先に発表した「Syn.構想」にも期待がかかる。また、ソフトバンクでは「Yahoo! Japan」のスマートフォン向けの取り組みとグループ内の連携に注目したい。スマートフォンを生かすも殺すもこれら大手キャリアのコンテンツサービスの今後にかかっており、それらの取り組みが成功するかが、日本市場でのスマートフォンの盛り返しを左右することになるだろう。
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