東京商工リサーチの調査で、2025年度(2025年4月〜2026年3月)の「塗装工事業」の倒産(負債1000万円以上)が143件(前年度比22.2%増)となり、過去20年で最多だったことが分かった。塗料などの資材価格の高騰や慢性的な人手不足、顧客獲得競争の激化などを背景に、倒産が急増している。
「塗装工事業」の倒産は、2013年度以降100件を下回る水準で推移し、コロナ禍の2021年度には57件まで減少した。だが、2024年度は117件に増加して再び増勢に転じ、2025年度は143件に達した。1989年度以降では、ピークだった2000年度の164件に迫る5番目の高水準となった。
倒産原因の8割超が「販売不振」、1割超が赤字累積による「既往のシワ寄せ」で、業績不振に直結するこれら2要因が大半を占めた。資本金別では「1000万円未満」が133件(構成比93.0%)と、小・零細企業が中心だった。長引く業績低迷のなか、体力の乏しい小規模事業者の行き詰まりが目立っている。
さらに、イラン情勢を背景としたホルムズ海峡の物流リスクにより、石油化学製品の原料となる「ナフサ」の安定供給への懸念も高まっている。これを受け、大手塗料メーカーは値上げに踏み切り、シンナー価格も7〜8割程度上昇する動きがみられる。原材料価格の上昇に加え、供給維持に向けて出荷調整を行うメーカーもあり、在庫余力の乏しい小・零細の塗装工事業者への影響は大きい。市場競争の激化に加え、資材高や人手不足も重なり、塗装工事業者は厳しい経営環境に置かれている。
東京商工リサーチは「工事の受注価格も大幅な値上げを迫られるが、価格競争が激しく、コスト上昇分を十分に転嫁するのは容易ではない。競争力の弱い小・零細規模の塗装工事業者の脱落は、2026年度にさらに増える可能性が高い」と指摘している。
本調査は、日本産業分類(細分類)の「塗装工事業」を抽出し、統計開始の1989年度から2025年度までの倒産を集計・分析した。
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