iPhoneの快進撃が止まらない。
9月20日のiPhone 5s / 5c発売以降、BCNやGfK Japanの販売ランキングはiPhone一色になっている。まさに「iPhoneだらけの販売ランキング」である(参考記事)。
これらのランキングは家電量販店のPOSデータが主な母集団であるため、Apple Storeやキャリアショップも含む端末販売市場すべての実態が現れているわけではない。しかし筆者がキャリア各社の実販売状況を取材したところ、キャリアショップなどでもiPhoneばかり売れているという状況は変わらなかった。今回のiPhone 5s / 5cからiPhoneの取り扱いを始めたドコモでも、「Xperia Z1など一部のAndroidスマートフォンが発売直後に指名買いされることはあるが、コンスタントに売れるのはiPhoneだ」(販売会社幹部)という。
最大手キャリアであるNTTドコモの取り扱い開始で、販売に追い風が吹くiPhone。この人気はいつまで続くのか。そして、日本のスマホ市場は今後どのようになるのか。それを考えてみたい。
Appleのシェア 54%。
調査会社 IDC Japanが11月18日に発表したレポート「2013年第3四半期 国内携帯電話/スマートフォン市場規模」(参照リンク、PDF)において、Appleは圧倒的な強さを見せつけた。同社単独でのシェアがついに50%を超えたのだ。調査対象期間にはiPhone 5sと5cの数字がほとんど入っていないため、第4四半期はさらにAppleのシェアが伸びる可能性が高い。一方で、Androidスマートフォンを手がけるメーカーでシェアを伸ばしたのは、この時期、「Xperia A」が好調だったSONYだけだ。全体として見れば、「Androidスマートフォン市場全体がAppleに押しやられ、残ったパイをSONYが食う」という構図になった。
日本におけるiPhoneの好調ぶりは、IDC Japan以外の複数の調査会社の指標にも現れている。例えば、カンター・ジャパンの市場調査によると、10月のiPhoneの販売シェアは約76%。家電量販店を主な対象としたGfK JapanやBCNの販売ランキングでも、iPhone 5s / 5cの発売以降、トップ10ランキングすべてを各キャリアのiPhoneが独占する状況が続いている。まさに「iPhoneひとり勝ち」である。
これは海外のスマートフォン市場と比較すると、かなり特異的な傾向だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング