借金には2つのパターンがある――悪い借金をする人がハマる落とし穴新連載・お金もセンス(2/5 ページ)

» 2014年11月27日 08時15分 公開
[森永賢治,Business Media 誠]

お金を借りる時の心理と行動

 「お金が足りない、借りないとにっちもさっちもいかない」という時、実はそれでも約半数近くの人が、「我慢する」。その次に預貯金の切り崩し、親や妻、友人からの借り入れと思いきや、親や友人からの借り入れは「人間関係を壊しそうでイヤ!」「何かと面倒」という人も多く、気軽に利用できる金融サービス、つまりキャッシングを選ぶ人も多い。そこには、「借金」=「不名誉」というネガティブな心理があり、「人に知られたくない」という行動につながる。

 以前、地銀のカードローンの仕事をしていて、その際に行ったグループインタビューで、面白い意見があった。「自分は絶対地銀ではお金は借りたくない」というその女性は、理由として「地元の銀行や信金には必ず自分の親類縁者が働いていて、その人にお金を借りていることを知られたくない」ということだった。それで、むしろ金利の高い消費者金融の無人契約機を利用したという。

 また、ある人は「自分のメインバンクでは借りたくない」という。担当者のこともよく知っているし、何より、住宅ローンなどの借り入れの時に不利になるのではないかという意見である。銀行は上から目線だからイヤという人もいた。

 これらから分かることは、彼(彼女)らは、決してやましいことはしてないのに、コンプレックスを抱えていることである。それだけに、金融機関は利用者のそう言った心理をよく理解していて、人に見られることのない無人契約機や、ネット完結型のサービス、「借金」していることが分からないコンビニATMでの利用、また、カードのデザインも、普通のクレジットカードやキャッシュカードのようなものにしたり、さらには自宅へのDMの封筒や、会社への電話なども金融機関名を明かさないといったきめ細かな努力をしているのである。

「地元の金融機関でお金を借りたくない」という人が多い(写真はイメージです)

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