アメリカ人が「銀だこ」で、たこ焼きを食べる日粉モンが世界に(2/4 ページ)

» 2014年11月28日 08時01分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

今後の海外展開

「EY アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー・ジャパン」で日本代表に選ばれたホットランドの佐瀬社長

――海外展開についてどのように考えていますか?

佐瀬: これまでの日本のファストフードをみると、その多くが米国からやって来ました。僕も若いころは、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどが大好きでした。お店に行って、ただ食事をするだけでなく、そこで米国の文化や楽しさといったものを感じていました。僕にとってファストフードは“米国の窓”のような存在でした。

 高校生のころはこのようなことを考えていました。「和食をファストフード化させることはできないか。そして世界で勝負したい」と。僕にとって和食のファストフードと言えば、焼きそばやたこ焼きなど、いわゆるB級グルメばかり。「マクドナルドやケンタッキーフライドチキンが日本に進出してきたように、日本から海外に進出することはできないか」といったことも考えていました。

 話は変わりますが、2011年に東日本大震災を経験して、弊社は本社を群馬県から宮城県の石巻市に移転しました(現在は東京都)。現地に屋台村「ホット横丁石巻」をつくってがんばってきましたが、閉店しました。被災地でやりたいことをすべてやったか? と聞かれたら「やっていない。まだまだ道半ば」と答えざるを得ません。それが実態。ただ、石巻水産研究所をつくって、世界初となる真だこの完全養殖を目指して、現在も研究を行っています。研究所で真だこ、ウナギ、エビなどの完全養殖に成功したら、石巻市を拠点にして、さまざまなモノを世界に輸出できるようになるかもしれません。そうなればいいなあと思っています。

――2004年、香港に海外1号店をオープンしました。その後、アジアを中心に展開していますが、実際に現地で運営してみてどのような印象を持っていますか?

佐瀬: 「たこを食べる外国人はいないので、たこ焼きなんか無理だよ」という声をよく聞きます。でも、実際は違う。多くの人がたこを好んで食べています。海で泳いでいるのは「オクトパス」、たこ焼きに入っているのは「たこ」なんですよ(笑)。

 たこの4大消費国といえば、日本、ギリシャ、スペイン、イタリア。2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録された影響もあって、現在は和食がどんどん広がっているんですよ。たこを食べる人もどんどん増えている印象を受けていて、米国でもそれを感じることができました。

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