件の大学生は高校時代に米国に留学し、オバマの選挙戦を目の当たりにしたり、現地の学生たちの政治意識の高さに触れたりして、日本の若者たちの政治への関心の低さを改善したいと立ち上がったらしい。なんとも頼もしい話だが、“アメリカかぶれ”になった過程で、あちらの選挙戦にあふれかえるプロパガンダの手法まで真似てみようと思ったのではないか。
件の大学生がアップしたという「謝罪文」を読んでみたが、「そうかそうか。じゃあ小学生を騙ったのもしょうがないよね」という感想にはならなかった。解散がメディアで報じられた11月14日、彼はこんなつぶやきをしている。
解散間近ですが何かする予定はありますか?と連絡が来る今日この頃。
ひとまず解散やめてくれキャンペーンをするという可能性はないだろうか?笑
こうしてできあがったのが「どうして解散するんですか?」だとすると、4歳少女の涙が選挙キャンペーンのあり方に一石投じた手法を参考に、「10歳の少年」で世論誘導を試みたとしか考えられない。
彼の釈明からは「大事なことを世に伝えるため、意識の低い人たちに関心をもってもらいたくて小さなウソをつきました」というような考えが透けて見える。これは非常に危うい。
かつて「慰安婦強制連行」の偽証言をした吉田清治は、「事実を隠し自分の主張を混ぜて書くなんていうのは、新聞だってやるじゃないか」と開き直った(関連記事)。
志があって、将来有望な若者が“道”を踏み外そうとしている。「失敗が許されるのは若者の特権だ、次はうまくやれよ」なんてエールを送るのではなく、「そういうインチキをやり始めたらおしまいだぞ」ときつく叱ってやるのが、大人たちの役割ではないのか。
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