ちょっと前、新宿・歌舞伎町の某ホテルの支配人として、暴力団やらモンスタークレーマーなどのさまざまなクレームを処理してきた三輪康子さんにインタビューをしたことがある。その時、クレーム処理で最も大切なことは何かと問うたら、三輪さんはこのようなことを語ってくれた。
「絶対に逃げないことです。お客さまが激しく怒っているときほど一歩前に出る」
理不尽な言いがかりを前にすると人は無意識にのけぞってしまうが、これだと強面な相手はどんどん前に出てきて事態を悪化させる。だから、逆に“前のめり”で対応をするのだという。
筆者はさまざまな企業広報のアドバイスなどをやっているので、この言葉が身にしみてよく分かる。理不尽な要求に対し、自分たちの姿勢を示さずに腰がひけた対応をしている企業というのは後で必ず大きなダメージを負う。
企業の話だけではなく、これは日本の「危機管理」にも当てはまる。別にコワモテな態度でケンカを売るような必要はないが、やはり理不尽な要求に対しては毅然とした態度で「旗」を示すべきではないか。
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