今後、アメリカン・エキスプレスが重視することとして、清原氏が挙げるコンセプトが「広く、深く」だ。
AMEXのカードには「富裕層の個人向け」というイメージが強い。しかしそれ以外の層にも広げていきたい、と清原氏は話す。「個人のプレミアムセグメントは、これまでに十分確立してきました。これからは、中小企業の個人事業主さんやWebでの申し込み、今まで提携してこなかったところと一緒に(カードを発行する)……など、今までよりもより広く、深く、(ユーザー層を)広げていきたいのです」
「より広く」のアプローチの一つが、個人事業主や中小企業のオーナーへの展開だ。「歯科医や獣医、中小企業オーナーなどのカードホルダーが大きく伸びています。個人利用だけでなく、ビジネスでの利用でもカードを使ってくださるから、決済金額が大きくなる。こういったお客様を今後はもっと増やしていきたい」(清原氏)
11月から始まった「アメリカン・エキスプレス・コネクト」(参照リンク)も、「より広く」の取り組みの一つ。同社のカードで利用できる、ショッピング、ダイニング、トラベル、エンターテインメントなど各種の優待やキャンペーン情報を横断的にチェックできるサイトである。アメリカン・エキスプレスではさまざまなカードを発行しているが、カード会員が本サイトにログインし、自分の持っているカードを登録することで、そのカードで利用できる優待やキャンペーンが表示されるというものだ。
「より深く」の取り組みとして挙げるのが、こちらも11月から始まったサービス「アメリカン・エキスプレス ダイニング・トレンド powered by ぐるなび」(参照リンク)。サービス名から分かるとおり、ぐるなびと提携して実現したサービスである。会員データや加盟店管理をすべて自社で行う、「クローズド・ループ」の強みを生かしたサービスといえる。
本サービスは、アメリカン・エキスプレスの会員がどんなお店で食事をしているか、利用実績データを元にして、レストランなどの人気ランキングを公開するもの。店舗の詳細情報はぐるなびのページにリンクを貼っている。ライフスタイルに合わせた5つのジャンルに分けて人気店を紹介しており、例えば「Smart Executive〜充実した日々を送るビジネスパーソン」を選べば、接待や会食に向いたお店が表示され、「World Explorer〜トレンドに敏感な国際人」を選べば、外国人に喜ばれそうな和食のお店や、成田や品川など交通の便の良いところにあるお店が表示される……といった見せ方で、単純なランキングでないのが面白い。
ネットへの取り組みとしてはこのほか、TwitterやFacebookも公式アカウントを開設、運用を始めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング