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» 2015年04月10日 08時00分 公開

KADOKAWAが「復刻版 戦中戦後時刻表」を“再復刻” ただし販売は未定杉山淳一の「週刊鉄道経済」(5/5 ページ)

[杉山淳一,ITmedia]
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初版よりも品質が上がる

 「復刻版 戦中戦後時刻表」は“蔵出し”ではなく再生産だ。オンデマンド出版では割高になるけれど、募集型再生産なら損益分岐点を見据えて制作できるから、当時と同じ価格に近づけられる。しかも、原本を最新のスキャナ技術で取り込んで製版し、同じく最新の高精細な印刷技術で仕上げる。まだ制作していないので実物を見るまで分からないけれど、1999年当時のスキャナ、印刷技術ではつぶれてしまった文字や数字が鮮明になるという。もちろん、原本でつぶれた文字はそのままだけど、復刻作業による劣化は少ない。その意味では古本屋に出回っている1999年の初版よりも価値がありそうだ。

 いわば、古い映画のデジタルリマスター版をBlu-rayディスクに収録して販売するようなもの。昔の少年漫画を原稿から製版して上質な本に仕上げるような感覚だ。このあたりがKADOKAWAのビジネスらしさとも言えそうだ。

 改善点があるとすれば、ketsujitsuは今のところ「申し込みのキャンセルはできない」仕組みになっている。クラウドファンディングの手法にならうなら、ここは「READYFOR?」のように「購入予約のキャンセル可能」「復刊成立次点で引き落とし(キャンセル不可)」としてほしかった。

 現状では「関心はある。しかし3カ月先の購入予約はしにくい」という人が参加できない。キャンセル可能なら「関心票」の数字が見える。「ほかにも欲しい人がいる」という情報は、その商品の価値の裏付けになり購入意欲を刺激する。そのさじ加減がketsujitsuの課題と言えそうだ。何しろ始まったばかりのサービスだ。今後のサービス向上に期待したい。

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